インタビュー

係長
 藤井 かおり
 澄川の丘 ほたる/グループホーム
計画作成担当者/介護福祉士・ケアマネージャー・認知症ケア専門士

介護の仕事を選んだ理由はなんですか?介護の仕事を意識するきっかけは何かありましたか?

弟が障害を持っていたこともあり、弟の学校についていったり、助けてくれる人たちをたくさんみてきたなかで、福祉という分野は自分の身近なこととしてありました。高校卒業後、介護専門学校に通い、福祉の制度や社会人としてのマナー、手話など幅広いことを学びました。卒業時に介護福祉士の資格を取得し、老人保健施設に就職したのが最初の職場です。約5年務めました。

ケアマネージャーになるまでの経緯を教えてください。なぜケアマネになったのですか?

当時、介護の実務経験が5年ないと、ケアマネージャーの試験は受けることができなかったので、アイに入社してから受験し取得しました。これからも介護の世界で働いていくのなら、自ずと、介護福祉士の次はケアマネージャーの資格は取りたいと思っていました。資格を取ることで、介護への自信や知識、学ぶ機会が必然的に多くなるので資格をとって良かったと思います。資格は取って終わりではなく、5年に一度ケアマネージャーの資格更新があり、制度の変化や社会情勢的な変化によっても学び続けていかねばなりません。

左)グループホームほたるのシフトづくりも業務の1つ 右)お部屋まで誘導する時のおしゃべりも楽しい時間

グループホームの介護者として、どんな風にお一人お一人のケアを考えているのですか?また、どんな生活を送って欲しいと考えていますか?

日常のみなさんを見ながら必要な介助や想いを汲み取りながら、必要なケアをみつけていきます。みなさん答えが一緒ではもちろんありません。今となってみたら、介護経験の積み重ねや、弟を通じて、相手の言葉にならない想いをくみ取ることができているかもしれません。私の場合、入居されているみなさんには楽しく、少しの時間でも笑ってもらいたいと思っています。グループホームは生活の場だから、いつも笑ってもいられないし、いつもなにか特別なこともできないけれど、自分が一緒にいる時は笑顔になって欲しいなと考えています。

他のスタッフとどの様に情報を共有して仕事をしていますか?

介護経験の少ないスタッフとは、話をするようにしています。介護の仕事は、流れ仕事的な部分は誰でもできますが、大事なのは目の前のその人にどれだけ寄り添えるかという気持ちだと考えています。入居されているみなさんのバックグランドや個性によってもケアは違ったりもするので、 月1回のカンファレンスや個別でスタッフと情報を共有しながら、個々人のケアをしています。

実際に入居さまの要望を取り入れたことはありますか?

「家に帰りたい」と認知症による帰宅願望とは違う強い希望をお持ちの利用者さまがいて、一緒にご自宅に帰りました。壁紙をご自分で貼らていたり、暖炉があったり、庭がとても手入れされていたりと、伺ってみて思い入れのあるご自宅に本当に帰りたいという気持ちがわかったんです。その後、ご家族にも協力していただいて、週2回。ご自宅に帰って過ごされたかたもいらっしゃいます。

左)グループホームほたるには癒し犬「ほたる」が午前中のみ出勤している 右)施設長がきて業務の打ち合わせ

入居者さまの最期を看取るターミナルケアはどんな気持ちでやっていますか?

往診を受けながら、お看取りをされた方や、1度入院をしましたが、回復の見込みが無く病院からグループホームに帰ってきてお看取りしたかたが何人かいらっしゃいます。ホームの玄関に着き、私どもスタッフの顔を見て、穏やかな表情をされた時、このグループホームが家になっているんだなと思えた時は嬉しかったです。今までやってきた色んなことが、そこに蓄積していたなと思います。ある入居者さまは、お誕生日をホームでできるように退院日を調整して帰ってきていただきました。おそらく最後になる誕生日を、家族様とお祝いしました。大きなケーキと花束。今までのホームでの暮らしをスライド写真で振り返りながら誕生日の時間をゆっくり過ごされ、その何日後かにお看取りしました。その方の最期をケアさせていただくことは、やっと介護職員としてやりきれた感覚と、最期までケアができることはチームとして成り立っていることを実感します。今まで出会ってきた入居者さまを思い出すことがあるのですが、そういう時に介護の仕事をしていて良かったなと思います。