インタビュー

施設長・看護師
 島 博幸
 藤野の杜/グループホーム

介護の仕事を選んだ理由はなんですか?

高校時代からレストランで調理の仕事に携わっていた時に、同僚のご主人から”介護の仕事をやってみないか”とお誘いを受けたのがきっかけです。最初は断ったのですが、”君みたいな若い奴がこれから担っていかないでどうすんのよ”と返答され、自分を必要としてくれているのだと感じ、また、その熱意に押され、無資格のままで新しくできた老人保健施設で介護員として働き始めました。

介護の仕事がきっかけで看護師の資格も取得していったのですか?

デイケアで介護の経験を積みながら、介護福祉士取得をしたときに、自分の将来を考えることがありました。デイケアでは送り迎えも行っていたので、ご家族をはじめ、ヘルパーさんや訪問看護師の方々と関わることもしばしばありました。特に訪問看護師の関わっている姿にあこがれを抱くようになったのと、医療の知識をもっと深く学びたいという思いが強くなり、看護の道を目指すことになりました。20代後半から新たなスタートという不安もありましたが、准看、正看、保健師の学校に5年間通いました。特に1年間の保健師の学校では、病気にならないためにどう関わっていくのかという、地域の保健師の姿に感銘受け、保健師として働きたいという思いがさらに強くなりました。卒業時は年齢も30半ば、思ったより男性保健師の需要も少なくて、まずは、看護師として臨床経験を積んできました。脳外科で働いている頃に今の有限会社アイからお話を受け入社しました。

(左)看護師として利用者さまの様子を病院に連絡したり、各施設との連携も施設長の仕事 (右)昼食は利用者さまと一緒に食べる

転職に対しての不安はありませんでしたか?

不安は正直ありました。当時働いていた脳外科も大変ではありましたが学ぶ場面が多くあり充実もしていたので。ただ、私が本来やりたいことは何だろうと考えた時に、地域の方との関わりを持つことができる今の会社でやってみるのも良いと強く感じるようになりました。ただ介護の制度など分からない事ばかりで自分にやっていけるのだろうかと不安はありましたが、澄川、真駒内の施設長がたくさんサポートしアドバイスもしていただけたので、不安は払拭できました。

施設長として心がけていることは何ですか?

入居者第一。相手の立場でものを考えることを重要視しています。この人だったらどう思うだろうかという事を考えて行動しています。職員においても、人と関わる仕事なので、精神状態が落ち着いていないと、ケアや対応に出てしまうことがあるので、その日の精神状態を観察するようにしています。介護の仕事の大変さもわかるので、スタッフ同士が支えあえるよう調整もしています。

入居者さまに対して取り組みはありますか?

ご本人が今、一番考えていることは何だろうという事に焦点をあてています。体の具合を気にされている方も多いので、「具体的にどんなところがどう痛いか」「昨日注射打ったけど、大丈夫かい」などとお声掛けしながら今の状態を伺うことも多いです。看護師として、気になるところに手を当てて様子を見るだけでも安心してくださることもあるので、身体の様子はしっかり観察しています。

実際にはどんな取り組みをしましたか?

個々の入居者に合わせた外出支援ですかね。入居者様が以前働いていた職場でお食事に行ったり、ウインドウショッピングが好きな方には、バスや地下鉄などの公共交通機関を利用してお出かけしたり、日々私たちが何気なく行っている一つ一つの欠けている部分を支援するというところが、グループホームのいいところだと思います。管理はいくらでも手を施したらできますが、潜在化している部分をどう引き出すかというところも働いていて、やりがいがあるなと感じるところです。

(左)利用者さまの記録はパソコンで入力 (右)薬管理は看護師の仕事

どんな人が介護の仕事に向いていると思いますか?

人の気持ちを汲み取れる人が、介護の仕事に向いていると思います。相手に関心を示さないと、人は振り向いてはくれません。興味、関心を示し信頼関係を得ることができれば、最高ですね。相手にどうやったら満足していただけるか考える力。それは言葉使いにせよ、目線にせよ、考え、実践できることが大事ですよね。