キャリアパス制度

1.キャリアパス制度とは

キャリアパス制度とは、人材育成制度です。
法人がキャリアパスを示すことで、職員は中長期的にどのようなスキルや専門性を身につけていくべきかを理解できるとともに、自己の目指すべき道を自己で考察する材料ともなり、自己啓発意識、モチベーション向上に資することができます。
キャリアパス制度を体系化するには、下記の3つの要素が必須となります。

  1. ①職位や職務に就任するために必要な業務経験、求められる実務能力を定め、どんな仕事に従事し、どの程度の習熟レベルに達すれば、どういう職位、職務に就けるのかの道筋や基準、条件を明確化すること。
  2. ②研修計画を策定し、必要な研修を受講することにより資質向上を図ること。
  3. ③根拠に基づいた賃金体系(等級)を定めること。

2.キャリアパス制度の概要

①事業運営システム

法人理念及び法人の事業運営方針に基づき、法人本部の統括のもと、各事業所が目標、責任を持ち運営します。

②職位表

職位及びその職位に求められる能力の基準を示し、果たすべき役割・責任をています。

 

③等級表

人事考課の結果や従業年数等に応じ設定した給与の等級です。

④人事考課表、目標管理表、指導計画表

1年に1度、人事考課を実施します。一次考課は個々の職員が行い、二次考課は所属長が行い、職員と面談のうえで、職員は目標管理表を、管理職は指導計画表を作成します。

⑤キャリアパス評価表

人事考課、取得した資格内容、従業年数等を踏まえ、キャリアパス評価表を施設長が作成します。

⑥研修計画

事業所別に年間研修計画を策定し、社内・社外研修により能力向上を推進します。

3.キャリアパス制度の仕組み(年間スケジュール)

①法人事業運営方針

  • ・3月中旬までに法人本部より、単年度事業運営方針を各事業所に示す。

②単年度事業運営方針の作成、職員への周知

  • ・3月末までに、各部署が単年度事業運営方針を作成し、その内容を職員に周知する。

③人事考課、目標管理表、指導計画表の作成、職員面談

  • ・12月~2月に自己評価をし人事考課表を所属長へ提出する。所属長が1次考課し職員と面談をする。
  • ・その後、単年度事業運営方針を踏まえ、職員が目標管理表を作成し、3月下旬までに所属長へ提出する。その後、管理職が指導計画表を作成する。

④キャリアパス評価の実施

  • ・人事考課の内容、職員との面談内容、年度内に取得した資格、従業年数等を踏まえて、施設長が昇格、昇給の有無、内容を暫定的に設定する。
  • ・施設長が設定した昇格、昇給内容を法人本部会議で協議し、結論を出す。

⑤辞令交付

  • ・昇格、昇給した職員には、4月に辞令を交付する。

⑥処遇改善改善、特定加算算定に伴う賃金の支給概要

  • ・処遇改善加算の支給内訳
    処遇改善手当(正社員・介護職)、賞与(正社員・介護職)、調整手当(パート介護職)、夜勤手当の一部(正社員・介護職、パート介護職)、資格手当の一部(正社員・介護職)、子供手当(正社員・介護職)
  • ・特定加算の支給内訳
    特定加算手当(正社員・介護職、看護職、事務職)、調整手当(パート介護職)

⑦社内、社外研修の計画、実施

  • ・社内研修計画は、各施設で年間スケジュールを3月末までに作成する。
  • ・社外研修は、人事考課を踏まえて、施設長が中間管理職と協議し研修参加を促進する。

職位表

職分 経営職
役職 施設長(部長)
等級 11
号俸 1~50
役割レベル 会社を代表する高度専門職
等級の定義 法人経営の業務運営を統括し責任を負う職位
必要な資格 介護福祉士または社会福祉士または看護師かつ介護支援専門員
求められる実務能力 組織(施設)の企画・運営・管理
事業所の業務を統括し、社員の勤怠管理、業務の実施状況の把握などを一元管理
介護保険法、関係法令を遵守させるための指揮・命令
収支管理、収入増の企画・実施・評価
経営における危機管理
人材育成における企画・実施・評価
新規採用について提案、決定
人事の方針決定
緊急時、苦情発生時の的確な指示・対応
年間事業計画の策定・実施・評価
法人運営に関する法規、制度の理解・指導・周知
地域の福祉力向上に向けた法人としての企画・取り組みの提供
労働基準法、就業規則、介護保険法を遵守した労務管理
職分 上級管理職経営職
役職 課長 係長
等級 10 9
号俸 1~50 1~50
役割レベル 会社の提供するサービスの内容、サービス方法を主導 課長の補佐
管理職の模範となっている社員
等級の定義 業務処理の方針及び、業務処理の手順を自身の思考と判断に基づいて業務の計画・調整・対人折衝もしくは比較的複雑な業務を単独または下級職を指導しながら遂行する職位 上級者の指示と指導のもと、応用業務を的確に下級者に指導する職位
必要な資格 介護福祉士または社会福祉士
求められる実務能力 主体性をもって、下記の業務を遂行することができる 課長の補佐として機能する
介護保険制度、その他の関連制度を理解し、他者に的確な説明、指導を行うことができる 総合職業務を的確に遂行できる
利用者の心身状態、生活状況の変化に対し、迅速に察知することができる
業務において、早期にリスク予測し、部下に的確な方策を指示出しすることができる
主体的に問題解決に取り組むことができ、職員にも取り組む姿勢を指導することができる
的確なケアプランを作成することができ、支援内容を的確にモニタリング、見直しすることができる
職員に対するタイムリーな効果的な指導や、成果がみられた場合に高評価を示すことができる
家族の思いや願いを的確に把握し、職員とも共通理解を図ることができる
医療機関や関係機関と綿密な連携を図ることができる
利用者の生活や行事に支障が出ない勤務シフトを作成、修正することができる。
情報・スケジュール管理を的確に行うことができ、職員にも取り組む姿勢を指導することができる
報告・連絡・相談・提案を的確に行うことができ、職員にも取り組む姿勢を指導することができる
緊急時、苦情発生時に、的確な指示・対応をすることができる
職分 中級管理職 初級管理職
役職 主任 副主任
等級 8 7
号俸 1~50 1~50
役割レベル 課長、係長の補佐
他社員の模範となっている社員
主任の補佐
他社員の模範となっている社員
等級の定義 業務処理方法の包括的支持を受け、段取り、不測の事態への対応等に一定の裁量をもち、業務を遂行する職位 上級者の指示と指導のもと、定型業務を的確に下級者に指導する職位
必要な資格 介護福祉士
求められる実務能力 上司の指導・助言・管理のもと、下記の業務を遂行することができる 主任の補佐として機能する
介護保険制度、その他の関連制度を理解し、他者に的確な説明、指導を行うことができる 総合職業務を的確に遂行できる
利用者の心身状態、生活状況の変化に対し、迅速に察知することができる
業務において、早期にリスク予測し、部下に的確な方策を指示出しすることができる
主体的に問題解決に取り組むことができ、職員にも取り組む姿勢を指導することができる
的確なケアプランを作成することができ、支援内容を的確にモニタリング、見直しすることができる
職員に対するタイムリーな効果的な指導や、成果がみられた場合に高評価を示すことができる
家族の思いや願いを的確に把握し、職員とも共通理解を図ることができる
医療機関や関係機関と綿密な連携を図ることができる
利用者の生活や行事に支障が出ない勤務シフトを作成、修正することができる。
情報・スケジュール管理を的確に行うことができ、職員にも取り組む姿勢を指導することができる
報告・連絡・相談・提案を的確に行うことができ、職員にも取り組む姿勢を指導することができる
緊急時、苦情発生時に、的確な指示・対応をすることができる
職分 専門職
役職 正社員
等級 6
号俸 1~50
役割レベル 担当者レベル
等級の定義 上級者の指示と指導のもと、定型専門業務を的確に遂行する職位
必要な資格 看護師、准看護師
求められる実務能力 看護、介護業務を的確に遂行できる
他職種と綿密な連携を図ることができる
職分 総合職
役職 正社員
等級 3〜5
号俸 1~50
役割レベル 担当者レベル
等級の定義 上級者の指示と指導のもと、定型業務を的確に遂行する職位
必要な資格 初任者研修以上
求められる実務能力 業務の質を向上するための発言・行動、自己啓発をすることができる
利用者の変化、業務課題に気づき、上司や同僚にタイムリーに報告・連絡・相談することができる
チーム内における協調・連携を図ることができる
就業規則、規律、健康管理を遵守することができる
利用者、家族、関係者等に配慮した接遇を行うことができる
日常業務達成のためのタイムスケジュールを管理することができる
正確に記録をすることができる
ケアプランを理解してサービスを提供することができる
ミーティングやカンファレンスで自分の意見を発言することができる
事故、苦情を起こさないケアを行うことができる
他職種と綿密な連携を図ることができる
職分 一般職
役職 パート社員
等級 1〜2
号俸 1~50
役割レベル 担当者レベル
等級の定義 上級者の指示と指導のもと、定型業務を的確に遂行または、サポートする職位
必要な資格 初任者研修以上
求められる実務能力 業務の質を向上するための発言・行動、自己啓発をすることができる
利用者の変化、業務課題に気づき、上司や同僚にタイムリーに報告・連絡・相談することができる
チーム内における協調・連携を図ることができる
就業規則、規律、健康管理を遵守することができる
利用者、家族、関係者等に配慮した接遇を行うことができる
日常業務達成のためのタイムスケジュールを管理することができる
正確に記録をすることができる
ケアプランを理解してサービスを提供することができる
ミーティングやカンファレンスで自分の意見を発言することができる
事故、苦情を起こさないケアを行うことができる
他職種と綿密な連携を図ることができる